無電解ニッケルめっきについて

SS400材への無電解ニッケルめっき(膜厚5μ)
SS400材への無電解ニッケルめっき(膜厚5μ)
アルミニウムA5052材への無電解ニッケルめっき(膜厚10μ)
A5052材への無電解ニッケルめっき(膜厚10μ)

日本アートでは、鉄素材だけでなくアルミニウムに対しても無電解ニッケルめっきを行うことが可能です。中リン、中高リン、黒色無電解ニッケルの3種類を取り扱っております。

各無電解ニッケルめっき比較

スクロールできます
項目中高リン中リン黒色無電解ニッケル
非含有非含有非含有
被膜組成(ニッケル含有率)89-91%90.5-92.5%-
被膜組成(リン含有率)9-11%7.5-9.5%-
均一析出性所定の厚さの約±5%以内所定の厚さの約±5%以内所定の厚さの約±5%以内
磁性析出状態では非磁性析出状態では非磁性-
硬度(析出状態)550HV580HV250HV
硬度(熱処理後)950HV950HV350HV
耐蝕性電解ニッケルより優電気ニッケルより優336時間変化なし
(温度35℃、湿度95%)
密着性電解ニッケルより優電気ニッケルより優-
めっき対応サイズ(ラック)1400×400×450(h)600×700×700(h)300×300×300(h)

無電解ニッケルめっきは電気・電源を使用せず化学反応を利用してめっきを行うため、複雑な形状の製品に対して均一な厚さのめっき被膜が得られます。また、電気ニッケルと比較するとめっき膜厚のばらつきが少なく1ミクロン単位で膜厚管理ができるため精密部品への表面処理に適しています。


熱処理について

めっき後に熱処理を行うことで皮膜の硬さを硬くすることができます。以下の表を参考にしてください。

熱処理後の被膜硬さ(1h保持)

熱処理温度(℃)ビッカース硬さ(中高リン、高リン)
0535
100557
150591
200646
250711
300802
400(これ以上は硬度低下)950(最大)
Danger

熱処理をすると被膜が黄色や青黒色に変色します。(弊社ベーキング設備は230℃まで。)


電気ニッケルめっきとの違いについて

電気ニッケルめっきとの違い

めっき前母材状態

上が無電解ニッケルめっきで下が電気にっけるめっき

めっき後(上:無電解Ni/下:電気Ni)

無電解ニッケルめっきは電気ニッケルめっきと同じくニッケル及びニッケル合金めっきを行うものですが、電気を用いず化学反応によってめっきを行うので電気めっきの様な膜厚のばらつきは無く、めっき厚さ分布は均一です。そのため、仕上がり外観はめっきをする前の素材表面の状態に100%左右されてしまいます。

Information

無電解ニッケルめっきは電気ニッケルめっきのような平滑化作用がないため、母材の表面状態(粗さや傷など)がそのままめっき後の外観となって仕上がります。これは、無電解ニッケルめっきの均一析出特性によるものです。


無電解Niめっきの均一析出特性について

無電解ニッケルめっきの付きまわり方
無電解Niめっきの付きまわり方1
無電解ニッケルめっきの付きまわり方
無電解Niめっきの付きまわり方2

無電解ニッケルめっきは、めっき液に触れている場所全体に均一に膜厚が析出していきます。

ですが、止まり穴があるとその内部はめっき液の循環性が悪くなりニッケルイオンが供給され難くなるため、めっきの析出速度が遅くなり膜厚が薄くなります。また、反応時に発生するガスが溜まってしまうとそこはめっき液に触れなくなるためめっきが析出せず無めっきとなる事に注意してください。

Warning

無電解ニッケルめっきは、傷を埋めてなだらかにして目立たないようにする作用(平滑化)はありません。

小傷があるとその小傷の形に添ってめっきがつきまわるため仕上がった際に小傷が目立つことがあります。


表面処理めっきのご質問やご相談を承ります。

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