黒染め(Fe₃O₄)

黒染め(四三酸化鉄皮膜)

黒染めは、四三酸化鉄被膜(Fe₃O₄)による美しい黒色の化成処理被膜です。日本アートでは小物から長物まで様々な形状のものに黒染めをする事が出来ます。

黒染め対応サイズ

スクロールできます
項目小物用長物用
対応サイズ(ラック)1000×700×500(H)1900×450×500(H)
Danger

黒染めは防錆性能を防錆油に依存しているため、防錆油が切れてしまうと容易に赤錆びに変化してしまいます。

保管する際は、絶対に防錆油を切らさないように管理をしてください。


黒染めについて

黒染めは、約140℃に熱した黒染め溶液の中に鉄鋼部品を浸漬し化学反応によって鉄鋼表面に美しい黒の着色効果と防錆効果のある強固で安定した皮膜(四三酸化鉄=黒錆)に変える化成処理の一種です。

黒染め処理は被膜生成速度が遅いため膜厚は約1ミクロン程度と非常に薄く、部品表面から内部に向かって被膜が形成されるため寸法変化がほとんどありません。電気めっきや塗装に比べて剝がれにくいことも大きな特徴です。

ただし、黒染めは亜鉛めっきやニッケルめっき程の防食性を持たないため、必ず防錆油を塗布しなければすぐに赤錆に変わってしまいます。

また、黒染めは素材や加工法による影響を受けて以下の様な外観不良を引き起こすことがあります。

黒染め外観不良の例

①黒く染まらない:黒染めをしても思ったように黒く染まらずグレーになる場合があります。

②色ムラ:色に濃淡のムラができる

③赤変色:赤色や茶色に変色する。後から赤く変色する場合もあります。

④剥離する:ワイヤーカットされた部分に発生することがあります。


外観不良になる場合

黒染めは、赤色もしくは赤茶色になるという場合や黒く染まらない場合があります。

これは黒染め不良による色ムラの場合もありますが、その多くは黒染めの不良ではなくその製品の素材や加工法に問題がある場合が多いです。主に、以下の素材や工法を用いていると赤茶色になったり染まらない場合があります。黒染めをする前に使用している素材や加工法を確認をしてください。

外観不良に影響のある素材

・鋳物材(FC材やFCD材など)

・ダイス鋼(SKD材)

・プリハードン鋼

・構造用合金鋼鋼材(SCM材やSNCM材など)

Warning

① 素材中に添加物として鉄以外の元素(ニッケル・クロム・モリブデンなど)を含む鋼材はその添加元素が多いほど赤茶けた色になります。場合によっては後から時間差で赤変色することもあります。

②ステンレス材や銅合金素材などは特別な処理が必要になります。

③鋳物材など、表面の粗いものは均一な黒染めが難しい場合があります。

外観不良に影響のある加工法

・ワイヤーカット

・熱処理(焼き入れなど)

Warning

例えばS45Cの製品へ黒染めした場合に、熱処理などで硬度が高くなると仕上がりの色味はこげ茶色になります。

Information

ワイヤーカット時の加工条件が仕上がりの外観に影響します。ワイヤーカットを3回以上行ったりサンドブラストで表面をしっかり滑らかにすることで仕上がりが多少改善されることがあります。


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